紬と絣の伝承館 宇治紬物語

織物を知る

染織の話

浮世絵に描かれた織物の図
浮世絵に描かれた織物の図

織物(おりもの)とは、糸を経緯に組み合わせて作った布地である。
織物の歴史は古く、石器時代にさかのぼるとされていますが全世界でさまざまな発展をしてきました。専門的には「染織」という用語を用いますが、染と織は切っても切れない関係にあります。

先染め: 糸の段階で染め、その染めた糸を用いて織りあげる生地。色の付いた糸を、配置を計算して織り上げることで、様々な模様を織り出す。
あと染め: 染めていない糸で織り上げた織物(白生地)に染を施す。友禅染めや紅型など。

手織物の話

その中で人力で行うものが手織機。
地機(じばた)は経糸を織手の腰に取り付け、張り具合を調節しながら織ります。居座り機、下機とも言います。それに対し枠に経糸を取り付けて織り手が腰をかけて織るものを高機(たかばた)と言います。
織機(しょっき、おりき)とは、糸を使って布を織る機械のこと。(はた)とも言います。
仕組みは、経糸を並べておいてぴんと張り、そこに緯糸を繰り返し通すという単純なものであるため、全世界で広く織機は存在します。その大きさや種類は手で持てるサイズの小さなものや、腰で固定する簡単なものから、大きな固定式の機や機械式の織機までさまざまです。

地機
地機
高機
高機

【手織物の魅力】 何といっても機械織にはない一品ものの手作りであることです。手間隙をかけ、作り手の個性、精神性、感性、技術、その商品レベルは高く、無名の作家や新人でも強い意志を感じる素晴らしい作品に出会うこともあります。

材料の糸

動物性繊維 絹繊維(野蚕/天蚕・家蚕 野蚕/500m/繭⇒柔・軽・光沢・温(空気が入る)・染△ 色まちまち
家蚕/1500m/繭⇒生糸(1頭/繭) 玉繭⇒玉糸(2頭/繭 雄雌)
左:繭=生糸 右:玉繭=玉糸獣毛繊維 アルパカ・羊  体質・種類・夏冬・場所等により変化種類が多く、同じものはない。
植物性繊維 靭皮繊維大麻(クワ科の1年草)2m以上になる大麻 → 野生はない
苧麻(チョマ) → 野生
葛・藤・科・オヒョウ → 自然採取する原始繊維
葉脈繊維麻に似た性質を持つ
芭蕉(バショウ科)  虎尾蘭(ヒガンバナ科)
綿花種子毛繊維木綿 → 綿花
鉱物性繊維 石綿閃石(チョクセンセキ) 透閃石(トウセンセ) 毛髪の5,000分の1

■沖縄で使われた繊維

動物性繊維 絹織物 → 首里(生糸による織物 部分的に野蚕)
→ 久米島紬(南方中国系の品種/琉球多蚕繭[黄金の繭])
靭皮繊維 苧麻は沖縄県全域で栽培され使用されている。宮古島産が最高級。
皮をはぎ表皮を除き陰干しにして米のとぎ汁で白くする。大麻の使用はない。
葉脈繊維 右納(ユウナ)は古くは使われた。
芭蕉(バショウ)最も多く使用(王族から農民、漁師まで)
糸芭蕉 → 糸を取る
実芭蕉 → バナナ(島バナナ)を採る
花芭蕉 → 花を観賞する
※芭蕉--南から貿易などにより伝わった北上文化
苧麻--奄美から伝わる南下文化
桐板(トンビャン)=虎尾蘭(トラノオラン)の繊維
銀のように光り、象牙のような半透明で最高級品
種子毛繊維 木綿は各地で栽培。1611 年薩摩の儀間真常が伝えたと言われる。

染料の種類

染料の原材料 発色 代表的な織物(産地)
ラベンダー 紫色 えぞ織
ハスカップ 黄緑色~青紫色 えぞ織
紅花(末摘花) 紅色 黄色 紅花紬
八丈刈安 黄色 黄八丈
マダミの樹皮 蔦色 黄八丈(蔦八丈)
椎の木の樹皮 黒色 黄八丈(黒八丈)
温泉泥 薄茶色 鷹ノ湯泥染
藍色(濃青) 越前布 ゆみはま絣 広瀬木綿 
綿薩摩(紺薩摩) 久留米絣
琉球藍(泥藍) 青色 奄美花織 芭蕉布 読谷山花織 南風原花織 
美ら彩 夏琉球絣 琉球藍絣 琉球絣 
宮古上布 与那国織
冬青(ソヨゴ) 紅色、褐色 越前布 越前竹紙布
玉ねぎの皮 薄茶色 越前布 越前竹紙布
福木(ふくぎ) 鮮やかな黄色 奄美花織 読谷山花織 南風原花織 美ら彩 
久米島紬 与那国織 石垣川平織
車輪梅
(しゃりんばい=テチカ)
褐色 奄美花織 芭蕉布 読谷山花織 南風原花織 
美ら彩 久米島紬 与那国織
サトウキビ(ウージ) 黄金色 ウージー絣 石垣川平織
グール(サルトリイバラ) 赤茶色 知花花織 久米島紬
ヤマモモ 金茶色 久米島紬 石垣川平織
ユウナ 銀鼠色 久米島紬
紅露
(クールー=自然薯の根)
黒みを帯びた赤色 八重山上布
ブーゲンビリア オレンジ色 石垣川平織
タイワンレンギョウ 金色の渋目 石垣川平織
センダン 黄色から茶系統 石垣川平織
ホルトノキ 茶系色 石垣川平織
ヤエヤマアオキ 赤色 石垣川平織
ゲッキュウ 黄緑色 石垣川平織
ガジュマル 肌色から褐色 石垣川平織
イボタクサギ 薄い黄色 石垣川平織
イタジイ 銀色~グレー系 石垣川平織
タブノキ 褐色系 石垣川平織
ソメモノイモ 赤茶色~焦げ茶色 石垣川平織
顔料 多色あり 紅型

全国の織物

行をクリックすると詳細をご覧いただけます。

名 称 地 域 織り方 生 地
えぞ織 北海道
厚司織 北海道 樹皮
裂衣織 東北 絹・木綿
白鷹板締絣 東北/山形県
鷹ノ湯泥染 東北/山形県
長井紬 東北/山形県
紅花紬 東北/山形県
吉野間道 関東/東京都
黄八丈 関東/東京都
小千谷縮 甲信越/新潟県
塩沢紬 甲信越/新潟県
湖波絣 甲信越/新潟県
越後上布 甲信越/新潟県
諸紙布 甲信越/新潟県
越後ぐんぼう 甲信越/新潟県 絹・木綿・麻
上田紬 甲信越/長野県
伊那紬 甲信越/長野県
三才山紬 甲信越/長野県
郡上紬 東海/岐阜県
能登上布 北陸/石川県
越前布 北陸/福井県
越前竹紙布 北陸/福井県 木綿・紙
時流紬 近畿/京都府 紬・絣・織
藤布 近畿/京都府 樹皮
ゆみはま絣 中国/鳥取県 木綿
広瀬木綿 中国/島根県 木綿
久留米絣 九州/福岡県 木綿
綿薩摩 九州/鹿児島県 木綿
真綿大島 九州/鹿児島県
奄美花織 九州/鹿児島県
芭蕉布 沖縄 樹繊維
琉球美絣 沖縄 木綿・絹・麻
読谷山花織 沖縄 木綿・絹
首里花織 沖縄
首里花倉織 沖縄
南風原花織 沖縄
美ら彩 沖縄
アヤノ花織 沖縄
タッチリ花織 沖縄
喜屋武花織 沖縄
夏琉球絣 沖縄
琉球藍絣 沖縄 木綿
琉球絣 沖縄 絹・木綿・麻
ウージー絣 沖縄 絹・木綿・麻
ヤシラミー織 沖縄 絹・木綿
知花花織 沖縄 絹・木綿・麻
久米島紬 沖縄/久米島
宮古上布 沖縄/宮古島
八重山上布 沖縄/石垣島
ミンサー織 沖縄/石垣島 木綿
石垣川平織 沖縄/石垣島
竹富ぐんぼう 沖縄/竹富島 木綿・麻
与那国織 沖縄/与那国島 絹・木綿・麻・樹繊維
紅型 沖縄/那覇市 紅型 絹・木綿・麻・樹繊維
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