紬と絣の伝承館 宇治紬物語

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藤布(ふじぬの)

  • 織
  • 樹皮
藤布
産地
京都府 丹後
特徴

藤の皮の繊維から作った糸で織った布。木綿の伝わる中世末期までは植物性繊維として,麻についで栲(たえ)などとともに庶民の間には広く行われていたと思われます。

藤衣(ふじごろも)というのが公家(くげ)の服飾の中で喪服として用いられていまました。

日本最古の和歌集である『万葉集』には、
須磨の海人の塩焼き衣の藤衣 間遠にしあればいまだ着なれず』や
大王の塩焼く海人の藤衣 なれはすれどもいやめづらしも』などの短歌が収録されています。

この他にも、藤を扱った短歌が多くの歌集の中に詠まれてきました。

用途
帯地
変遷

藤の生命力にあやかるため、縄文時代の古来より藤布で服を作り愛用されてきた。しかし江戸時代以降、綿の普及により藤布は衰退し、一時は途絶えたとも言われていた。しかし、昭和37年(1962)年、丹後の世屋(現在の宮津市)で藤布作りが行われている事がわかり、伝統文化の保存運動が始まりました。

昭和60(1983)年、藤布の機織りの講習会を皮切りに、伝承に向けての取り組みが始まり、平成元(1989)年、『丹後藤織り保存会』が発足しました。

平成3(1991)年、京都府無形民俗文化財に指定。平成13年(2001)年、京都府伝統工芸品に指定。平成22(2010)年、国の重要有形民俗文化財指定。

今では丹後半島(京丹後市と与謝野町)でしか作られていない希少な伝統産業となりました。

技法

山に自生する藤の皮を剥ぎ、さらに表皮を除いた中皮を利用します。この中皮を灰汁で炊いて繊維を分離していくなど、十ほどの工程を経て繊維を採り、糸にして『糸車』により、撚(よ)りをかけられ機にかけて織り上げたモノが藤布です。

現在でも昔ながらの灰汁を使っています。アルカリ値の低い灰汁だと、うまく繊維を分離することができないのです。

灰汁炊きによって分離した繊維を細く裂き、撚り合わせていく事で糸を作ります。これを『藤績み(ふじうみ)』といいます。こうする事で結び目のない着心地の良さを生み出します。

加畑氏は、丹後半島の山間部で今なお受け継がれている藤布の技術を現代に伝える貴重な存在です。

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