紬と絣の伝承館 宇治紬物語

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芭蕉布(ばしょうふ)

  • 絣
  • 樹繊維
芭蕉布
産地
沖縄県国頭郡大宜味村喜如嘉(おおぎみそん きじょか)
特徴

芭蕉は、花を観賞する花芭蕉、バナナの実芭蕉、そして繊維を採る糸芭蕉(イトバショウ)があります。

芭蕉布(ばしょうふ)は、バショウ科の多年草イトバショウから採取した繊維を使って織られた布のことをいいます。

芭蕉は沖縄県および奄美群島の特産品で、おおよそ500年の歴史があるとされ、琉球王国では王宮が管理する大規模な芭蕉園で芭蕉が生産されていました。

芭蕉布は薄く張りのある感触から、夏の着物、蚊帳、座布団など多岐にわたって利用されてきました。

用途
着尺地、帯地、蚊帳、座布団など
変遷

琉球王朝時代は、庶民階級ではアタイと呼ばれる家庭菜園に植えた芭蕉で、各家々で糸を栽培していました。芭蕉布の柄は縞、格子のほか絣があり、番匠金(ばんしようがね)(大工のかね尺の模様)もよく使われました。製織は高機を使いますが、古くは居座機も使用されていました。

芭蕉は沖縄をはじめ、奄美大島の特産でもありました。この地方は亜熱帯で高温多湿であるため、粗く通風性のある芭蕉布が好まれ、古くから着用されてきました。とくに琉球王国時代には、紬、花織などとともに課税の対象となったことから、生産は拡大されましたが、農民は機織りの過酷な労働を強いられ苦しんだと言われています。

現在では生産量は極めて少なく、沖縄本島喜如嘉を中心に、竹富島に産出し、夏の着尺地、座布団地などに使われています。

1974年には沖縄県大宜味村喜如嘉の芭蕉布が国の重要無形文化財に指定されました。

また、1976年(昭和51)に喜如嘉の芭蕉布保存会が、2000年(平成12)に同じく喜如嘉の平良敏子氏が国の重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定されました。

技法

一反の芭蕉布を織るには芭蕉は200本必要である。葉鞘を裂いて外皮を捨て繊維の質ごとに原皮を分けます。(より内側の繊維を用いるものほど高級)

灰によって精練作業を行いますが、芭蕉の糸は白くはならず薄茶色です。この無地織か、ティーチ(シャリンバイ)の濃茶色で絣を織るものが本土では一般的な芭蕉布と認識されていますが、沖縄では琉球藍で染めたクルチョーと呼ばれる藍色の絣も人気があります。

しかし、太平洋戦争後、進駐したアメリカ軍によって『蚊の繁殖を防止する為』として多くのイトバショウが切り倒され、絶滅の危機に瀕していましたが、戦争中「女子挺身隊」の一員として岡山県倉敷市で働いていた平良敏子氏が故郷の喜如嘉に戻り芭蕉布の復興をおこないわずかに栽培されています。


*染料は、沖縄産の琉球藍(キツネノゴマ科)とテチカ(車輪梅)の二種類である。
*糸芭蕉の繊維の色を地色として、紺と茶で絣模様を表す。
*絣模様は経絣、緯絣、経緯絣、綾中の四種類がある。
*絵図を用いず、絣柄にしたがって計算し、絣くくりを行い染色する。

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